SDGsコラム

ただの「コーヒーかす」が商品に⁉驚きのリサイクルビジネス in ノルウェー

Gruten社CEOシリさん

Gruten社の創業者シリさん

 

ノルウェーの首都オスロにあるGruten社は、市内の飲食店やホテルで廃棄されるコーヒーかすをリサイクル活用した石鹸やヒラタケ(きのこ)を製造・販売するというビジネスを行っています。

Gruten社を創業したシリさんは元々英国・米国で環境・持続可能な開発の修士号を取得し、ロンドンで廃棄物問題に関する教育事業の仕事に従事した後、母国・ノルウェーでサスティナブルビジネスを立ち上げたい、という思いでGruten社を2014年に創業しました。

サステナブルなビジネスの先端を行っているシリさんに創業ストーリーや事業内容を詳しく伺いたい!ということで、Skypeによるインタビュー取材を試みました。

 

Q. 事業の着想はどこから?

A. 実はノルウェーは1人当たりのコーヒー消費量が世界3位(日本の3倍!)のコーヒー大国であり、中でも首都オスロはコーヒー最高峰の町として知られています。一方で、廃棄される「コーヒーかす」の量も半端なく多く、日々ごみとして大量に廃棄処分されるコーヒーかすをリサイクルして再商品化できないか?と考えたのがきっかけです。

 

Q. 現在の事業の概要を教えてもらえますか?

A. ビジネスモデルとしては、小規模経営のカフェから大規模コーヒーチェーン、さらに業種を問わず企業からコーヒーかすを無料で回収し、そのコーヒーかすで石鹸やヒラタケの栽培を行っています。石鹸はGruten社が経営する店舗や、コーヒーかすを提供しているカフェ等で個人に販売したり、ヒラタケは地元のレストランで卸したり、個人に販売したりしていますが、消費者自らが自宅でサスティナブルな生活を作り出せるような石鹸の作り方やヒラタケ栽培方法を学べるワークショップが「子供の環境教育に良い」と好評で、商品の販売以上にワークショップの売上が伸びています。ワークショップ参加者は、親子でノルウェーのオスロ市内から離れたヒラタケ栽培所に学びに行き、ワークショップ後は自分の家で飲んだコーヒーかすを使って家庭で日常的なサスティナブル教育をしています。

 

  市内にある自社の石鹸販売ショップとコーヒーかすのリサイクルから生まれた石鹸

Gruten社店舗

Q. コーヒーかすでできた石鹸は普通の石鹸とどこが違うのですか?

A. 商品の手洗い用の石鹸はオーガニックコーヒー豆を利用し、極細挽きの豆によるエスプレッソで使用したコーヒーかすを使っているため滑らかで、ココナッツオイルやオリーブオイルで肌に栄養を与えます。石鹸にはエッセンシャルオイルが加えられ、ラベンダーは抗炎症作用を、ペパーミントは、冷え対策にもなり、集中力を高め、心地よい香りがします。ボディ用のスクラブも生産、販売しています。

Q. マーケティングについての特徴は何ですか?

A. Gruten社にコーヒーかすを提供する大企業の中には、Gruten社の理念に共感し、応援という意味でコーヒーかすをお金を支払って、Grutenに渡します。また、大企業向けには大企業のブランドでスペシャルコーヒーを作ったりもしています。企業側にとっても、サスティナブルというブランディングとしても、自社ブランドの商品販売からの利益も確保できるというメリットがあります。

 

Q. 事業運営をする上で、サステナビリティの観点で気を付けていることはありますか?

A. Gruten社のサスティナブルの意識は徹底しており、ヒラタケを栽培するキットも一度利用したキャンディボックスを活用したり、ひらたけ製造施設は船のコンテナをリユースしています。石鹸トレイもレストランから提供された箸をリユースして作られ販売されています。

 ヒラタケ栽培ファーム(船のコンテナをリユース)
GRUTEN社2

 

Q. 今後の事業戦略はどのように考えていますか?

A. 今後の取り組み方針は大きく2つ。1つはアップサイクルに力を入れること。もう1つは実践的な行動を通じて、市民の意識を高める活動をしていきたいです。

 

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HUB’S EYE(リサイクルハブコンサルタントによる分析)

 

日本でも雑誌等で「サステナブル」という言葉が頻出するようになりました。このサステナブルの波をいち早く事業やサービスに取り込むことで、他社との差別化を図ることが可能です。また、中長期的には自社ブランディングの構築にもつながります。

今回のインタビューを通じて、日本では、子供の教育というと、五感を発達させるため、脳の発達を促すために自然に触れ合うなどのアクティビティがありますが、「環境教育」というカテゴリーでワークショップなどが人気である点は、ノルウェー人の環境に対する意識の高さを感じました。CEOのシリさんが、自分が学んだサスティナブルの手法、いわば企業の技術ノウハウを惜しみなく「オープンソース」として消費者に公開しているところも、当初は驚きでしたが、サスティナブルを浸透させたいという思いを聞いて納得しました。

新型コロナウィルスなど危機の到来で環境の著しい変化も起きており、家庭菜園を始める人が増えたり、何度も使える手作りマスクなどリサイクルも改めて見直されており、今後注目したいところです。

 

■参考情報

Gruten社ホームページ

Gruten社取材動画

 

ライター:笠井貴代

1981年、北海道生まれ。小樽商科大学商学部商学科卒業後、リクルートで人材採用広告の営業、IT企業で営業、マーケティング、経営企画に従事し、2019年に独立。第一子出産を機に環境を改めて考え、現在サスティナブル・エシカルを主なテーマとするフリーライター。映画『不都合な真実』のアルゴア元副大統領が創設したClimate reality認定リーダーであり、エシカル・コンシェルジュ受講生。350.org JAPANのボランティア。

 

 


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