先月は食品廃棄物の横流しというBADニュースで一色に染まった産廃業界ですが、この事件とは別の次元で、食品廃棄物に今熱い視線が注がれていることはご存知でしょうか。
実は、昨今「バイオマス発電の有望な燃料として」食品廃棄物がにわかに注目を集めているのです。
最近の主だったニュースだけでもこの通り。
バイオガス発電で食品リサイクルへ、1日80トンの廃棄物から940世帯分の電力
各自治体から外食やコンビニといった業界まで、幅広い方面で食品廃棄物を利用したバイオマス発電が検討・導入されていることが分かります。
HUB’S EYE(リサイクルハブコンサルタントの分析)
それでは、なぜ今これほど「食品廃棄物×バイオマス発電」が注目されているのでしょうか?
大きく3つ理由が挙げられます。
①バイオマス発電に対する国の政策が整備されてきた
国のバイオマス発電に対する取り組みは、平成14年の「バイオマス・ニッポン総合戦略」策定から徐々に本格化してきました。この国家戦略は平成18年に見直され、平成21年「バイオマス活用推進基本法」が施行、翌平成22年には「バイオマス活用推進基本計画」の閣議決定という形で具現化しました。これに福島第一原発事故を受けて急きょ整備された新エネルギー政策「再生可能エネルギーの全量買取制度(通称FIT、平成24年から施行)」が合わさって、バイオマス発電に対する追い風が決定的なものとなりました。
②既存のリサイクル方法では限界が見えてきた
これまで食品廃棄物のリサイクルと言えば、コンポスト(堆肥)化や飼料化が主流でした。しかし、これらの手法はいずれも多くの課題を抱えており、今後の更なる利用範囲拡大は困難であることが分かってきました。
例えば、堆肥に関して言えば、食品廃棄物をリサイクルして肥料を多く作っても、その肥料の買い手がいないという問題(横流し事件を起こしたダイコーが不正に手を染めた理由も肥料が思ったほど売れなかったからという話がありましたね)。飼料については、求められる品質が高く、一般の家庭や事業所から出る生ごみや食べ残しは飼料としては活用できないという問題があります。
③食品廃棄物をバイオマス発電の原料として利用できる技術が確立されてきた
以前、リサイクルハブでも取り上げたIHIやJFEなどが発電技術の研究開発を積極的に進めてきており、至るところで実証実験が行われてます。技術的にはほぼ実用化レベルに達しており、更に高効率化が進むことにより事業としての旨みも出てきました。
食品リサイクルの今後
これまで堆肥化、飼料化中心だった食品リサイクルも、ダイコー問題も相まって今後はバイオマス発電にシフトしていきそうです。
リサイクルハブでも食品リサイクルのカテゴリを設けて、多数の業者情報を掲載しています。食品リサイクルに関心を持っている企業の皆様、ぜひお気軽ご相談ください。


