SDGsコラム

ペットボトルを食べる細菌発見 バイオリサイクルに繋がる成果

ペットボトルや衣服の素材であるPET(ポリエチレンテレフタレート)を分解する細菌を、慶應義塾大学、京都工芸繊維大学などの研究グループが発見しました。ペットボトルなどのPET製品のバイオリサイクル実現に繋がる研究成果発表です。

 

http://www.kit.ac.jp/2016/03/topics160311/

 


HUB’S EYE(リサイクルハブコンサルタントの分析)
今回の研究結果は、PETが自然界では分解されないという定説を覆すものです。今よりも環境にやさしいリサイクル方法が考えだされる第一歩となります。

 

現在、既にPETのリサイクル方法は確立されています。今回、ペットボトルを例に上げ、現行のPETリサイクル方法をまとめました。
PETのリサイクルは、主に下記の3通りです。

 

①ケミカルリサイクル
②マテリアルリサイクル
③メカニカルリサイクル

 
①ケミカルリサイクルは、選別、粉砕、洗浄を経て、PET樹脂の原料まで分解、精製したものを合成して、再度PET樹脂として使います。バージン樹脂と同レベルの品質に再生出来るメリットがありますが、大掛かりな分解設備・重合設備が必要で、製造コストや環境負荷が高い事がデメリットです。

 

②マテリアルリサイクルは、回収ペットボトルをフレーク・ペレット化し、繊維・シートフィルムや成形品に加工し、別のPET樹脂製品として使用します。洋服・カーペットの繊維製品や卵パック、容器回収ボックスなどに生まれ変わります。

マテリアルリサイクル(PET)

 

 

③メカニカルリサイクルは、マテリアルリサイクル用の再生フレークやペレットをさらに清浄化処理し、再びPETの原料として使用する方法です。具体的には、高度に洗浄・乾燥したPETフレークを生成・除染し、さらに再生原料として使うための工程を施します。その後、必要に応じてペレット化し、その際も濾過装置で異物の除去がおこなわれます。ケミカルリサイクルよりも大掛かりな設備を必要とせず、製造コストや環境負荷が低めです。

ペレットのイメージです

 

ペットボトルリサイクルの問題は、バージン材からの製造と比べ、コストや環境負荷の点で劣るケースが多いのが現状です。実際、過去10年のペットボトルの落札単価を見てみると、一貫して逆有償(単価がマイナスなので、お金を払ってリサイクルしている状態ということ)となっています。

 

公益財団法人 日本容器包装リサイクル協会(落札単価の経年推移)
出典:公益財団法人 日本容器包装リサイクル協会

 

今回発見された微生物は、PETを栄養源とし、最終的に水と炭酸ガスに分解します。今までの化学処理と比べるとエネルギーの消費が小さく、環境にやさしい手法と考えられます。

 

ただし、リサイクル手法として確立する為には、微生物由来酵素の活性・安定性の強化が必要とされています。それらを解決すれば、低エネルギーで環境調和型の「PETバイオリサイクル」の実現が可能と考えられます。

 

今回のリサイクル技術は、従来のリサイクル技術よりコストや環境負荷が低い為、今まで逆有償であったPETリサイクルのあり方そのものを変える可能性があります。汚れや劣化が進んだ再生に向かないPETなど、焼却するしかなかった処分方法も見直されるかもしれません。リサイクルに必要なエネルギーの消費量を減らす事で、地球温暖化防止の対策として期待も出来ます。

 

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リサイクルハブでは、このような低コストで環境に優しいリサイクル手法を提案出来るよう、情報収集と研究を続けています。ぜひ、廃棄物にお困りの際は、リサイクルハブにお気軽にご相談下さい。

 

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