小さいが危険な漂流ゴミ「マイクロプラスチック」が問題視されています。化粧品や洗顔剤など、私たちの身近な生活品にも使われている素材です。それが今、危険であるとマスコミや大学では警鐘を鳴らしています。
・プラスチックごみ 海を守る取り組み急げ(毎日新聞)
http://mainichi.jp/articles/20160202/ddm/005/070/051000c
・海のマイクロプラスチック汚染(東京大学)
http://www.oa.u-tokyo.ac.jp/learnocean/news/0003.html
一体、マイクロプラスチックには、どのような危険性があるのでしょうか。
HUB’S EYE(リサイクルハブコンサルタントの分析)
一体、マイクロプラスチックとは、どのようなものなのでしょうか。何が危険なのでしょうか。発生源から世界の動きまでをまとめてみました。
マイクロプラスチックは、工業用研磨剤・歯磨き粉や化粧品・スクラブ入りの洗顔剤・ボディーソープなどに使われています。成分表示には、「ポリエチレン」「ポリエチレン末」「ポリプロピレン」「コポリマー」等で記載されています。これらは、マイクロビーズとも呼ばれています。
製品自体に使われている場合の他、海を漂うプラスチックゴミが劣化し、小さくなったものもあります。漂流している間に、大きなプラスチックが壊れて細かくなり、マイクロプラスチック化します。波や浜での摩耗、紫外線による劣化が原因です。
私達の身近な生活では、服(合成繊維を含むもの)を洗濯した時に流れ出ています。下水を経由して海に排出されてしまいます。
●マイクロプラスチックの何が悪いのか
マイクロプラスチックは、毒性のある化学汚染物質を吸着しやすい性質をもち、それを媒介させます。自然への分解が非常にしにくく、環境中に100年以上も残留します。それを水生生物が食べてしまい、食物連鎖に入り込みます。魚や鳥・哺乳類が汚染されていきます。それら生物を人間が食べる事が問題です。
●世界の動きと米国の規制
いま世界では、規制の方向で進んでいます。
国際的には、近年下記の動きが出てきています。
・2015年~2017年:環境省と複数大学が共同で調査船にて実態把握中
・2015年6月:主要7カ国首脳会議(ドイツ)にて世界的な課題として対策を呼びかけ
・2016年1月:ダボス会議にて報告書で警告
そして昨年末、米国ではマイクロビーズの規制に関する法律が成立しました。
2015年12月28日:マイクロビーズ除去海域法 成立
2017年7月~:マイクロビーズ製造禁止
2018年6月~:マイクロビーズ 販売全面禁止
●マイクロプラスチックの対策
現在のリサイクル技術では、マイクロプラスチックを回収・処分する方法がありません。その為、自然に帰る植物性プラスチックへの切り替え等、代替材料が使われる事が望ましい状況です。その切り替えまでに私達が出来ることは、マイクロビーズが使われている製品を使わない事です。
小さくて見えないプラスチックが、海に無数に浮いているのが事実。見えない環境汚染である為、私たちは問題意識を持って、発生を減らす行動をする事が必要です。
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