SDGsコラム

ペットボトル技術の進歩に見る、eco化社会の指針としての役割

先月、ペットボトルの環境負荷低減に関する一歩進んだ取り組みについて、2社より発表がありました。

 

両社ともに、世界に先駆けた環境負荷を低減させるペットボトル製造に関する技術を、実際の市場に投入するとの趣旨です。持続可能な社会を目指し、資源循環型社会に貢献する狙いがあります。

HUB’S EYE(リサイクルハブコンサルタントの分析)

ペットボトルの原料であるプラスチックには、マテリアル・ケミカル・サーマルと様々なリサイクル手法があります。
そして、常に大量に製造・消費されていますので、リサイクルをはじめとする、環境負荷を低減する技術の取り組みが積極的に行われており、発達も比較的早めです。

今回取り上げたペットボトルの環境配慮技術の流れについて、まとめてみたいと思います。

 

エコ技術(環境配慮技術)の具体例

①再生プラスチックの活用

これまでに、100%再生プラスチックを使用したペットボトルは存在しましたが、非耐熱のプラスチックしかありませんでした。今回発表された新技術は、ケミカル処理を経ることで世界で唯一100%耐熱再生プラスチックのペットボトルの製造が可能となり、実用に至りました。

 

 

②植物由来プラスチックの活用

植物由来プラスチックとは、石油を原料とせず、原料として植物などの再生可能な有機資源から作られるプラスチックのことです。ペットボトルの本体(PET)については、サントリー以外のメーカーでも植物由来プラスチックの導入が進んでいますが、今回サントリーの取組みで注目すべきなのは、本体とは素材が異なるキャップ部分(PP)についても、同様の対応が実現できたという所です。

サントリーのペットボトルのイメージ

 

 

<出典:サントリー食品インターナショナル>

 

 

③ペットボトル自体の軽量化

現在市場に流通しているペットボトルは、2004年に比べて約20%軽量化(2004年度比)されており、さらなる軽量化が進んでいます。

 

エコ技術が目指すところ

これらの事例を環境配慮の手法別にまとめると
①は再生利用率を向上させるアプローチ
②はカーボンニュートラルを推進するアプローチ
③は石油の使用量を低減するアプローチ

というように分かれます。

それぞれ違うアプローチではありますが、これらの取組みが目指す目的は同じです。

それは、石油の消費量を抑制して資源の延命化を図るとともに、CO2発生量を削減して地球温暖化を食い止めるということです。

現時点では、どのアプローチも地球温暖化を食い止める決定打にはなりえていませんが、それぞれのアプローチが相互に作用しながら、一歩一歩決定打に近づいていくものと予測されます。

 

 


ペットボトルのエコ技術のこれから

循環型社会のイメージ

以上のように、ペットボトルに関する様々なエコ技術は日々進歩しています。ただでさえ消費の多いペットボトルに優れた環境対策を施せば、量と効率の掛け算で得られるエコ効果は大きくなるので、歓迎されることですね。

 

さて、このペットボトル業界にはさらなる明るい未来が待ち受けているようです。

コカ・コーラ、100%植物由来素材のボトルを発表 | CNN (2015)

コカ・コーラ社が現在実用に向けて開発中のこの「プラントボトル」と呼ばれるペットボトル素材は、その全てが植物由来のプラスチックを原料としています。

更に驚くことに、原料に使われるのは「廃棄された」サトウキビで、今後は果物の茎や皮、樹皮も使用される予定とのことです。

もちろん原料調達の面のみならず、コカ・コーラは最終的に「100%再生可能なプラントボトル」の実用化を目指しているとのことです。

 

このプラントボトルの最終形が確立されれば、理想的な循環型社会への大きな一歩となります。ペットボトルが先駆けとなり、他のマテリアルもエコ技術の革新が起こることも期待してよいのではないでしょうか。

 

【参考】
ペットボトルの軽量化 |  PETボトルリサイクル推進協議会