1.廃油とは?
事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、廃棄物処理法で規定された鉱物油や動植物油などの油脂および油状の物質
を指します。
※引火点が70℃未満の危険性の高いものを「引火性廃油」といい、またPCBが含まれる場合もあります。
これらは特別管理産業廃棄物として取り扱われます。→PCB廃棄物、有害産業廃棄物
2.廃油の具体例
- 鉱物性油
- 動植物性油
- 潤滑油
- 絶縁油
- 洗浄油
- 切削油
- 溶剤
- タールピッチ等
- 引火性廃油(揮発油類、灯油類、軽油類等) など
3.廃油の主なリサイクル方法
<概況>
再利用の方法としては、大きく分けて燃料としての再生と他の原料へ再生する方2つの方法があります。しかし環境省によると、2007年度の廃油の最終処分率は6%でしたが、再利用率は39%とまだ少ない状況です。
<主なリサイクル用途・方法>
- 再生油 (液体燃料、油脂)
再生液体燃料や油脂(再生潤滑油)へリサイクル。廃油中の油分と水分を分離し、加熱して水分を飛ばします。次に残った油分を遠心分離機にかけて不純物を除去する方法で再生油を再生させます。 - バイオディーゼル油 (液体燃料)
廃食用油を再生して作ることが可能で、燃焼に伴う二酸化炭素の増加を防ぐことができます。廃食用油にメタノールと触媒を加えてグリセリンを除去して精製可能ですが、グリセリンの売却および処分が課題となっています。
廃てんぷら油を原料に精製し、ディーゼル車を走らせるというのもこの一例です。 - 石鹸
廃食用油を加水分解し、石鹸の原料である脂肪酸ナトリウム塩を精製するなどのリサイクルがあります。
<その他の処理方法>
主に焼却処理ですが、水分を分離させたり可燃性の溶剤を混ぜて噴霧燃焼させたりして燃えやすくする必要性が多く生じています。焼却するにあたり有毒ガスが発生する場合もあるので、成分分析の必要も生じます。