廃棄物の種類と処理・リサイクル方法

廃石綿等

廃石綿のイメージ

1.廃石綿等とは?

廃石綿等のイメージ

廃石綿等とは、廃石綿及び石綿が含まれ、若しくは付着している産業廃棄物のうち、飛散するおそれがあるもののうち、次のものを指します。(特定有害産業廃棄物に指定されている)
1.石綿建材除去事業により生じたもの
(建築物その他工作物において、石綿を吹き付けられたなどのものを除去する事業)
2.大気汚染防止法に規定する特定粉じん発生施設が設置されている事業場において生じた石綿及び当該事業場において用いられ、廃棄された用具又は器具の、石綿が付着しているおそれのあるもの
(防塵マスクや集じん装置フィルターなどで、石綿が付着しうるもの)
3.輸入されたもの(事業活動に伴って生じたものに限る)

 

 

2.廃石綿等の具体例

以下のうち、上記事業活動の条件に当てはまるもの

  • 吹付け石綿
  • 石綿保温材
  • けいそう土保温材
  • パーライト保温材
  • 人の接触、気流及び振動等により石綿が飛散するおそれのある保温材、断熱材及び耐火被覆材
  • 石綿建材除去事業において用いられ、廃棄されたプラスチックシート、防塵マスク、作業衣その他の用具又は器具であって、石綿が付着しているおそれのあるもの
    など

3.廃石綿等の主なリサイクル方法

<概況>

アスベストの廃棄物は溶融処理または埋め立て処分されます。溶融処理のプロセスで発生したスラグを再生砕石に建材としてリサイクルされることもありますが、大半は埋立処分されていることになります。
アスベスト廃棄物には飛散性アスベスト(特別管理産業廃棄物)と非飛散性アスベスト(産業廃棄物)の2種類があり、それらの特徴や処理方法などについてを説明します。

 

●飛散性アスベスト(特別管理産業廃棄物)
そのままの状態でも大気中に飛散してしまうもの。主に壁面に吹き付けられた石綿等があり、厳重な管理のもと除去や運搬・処理が行われる。
処分の方法として、特別管理産業廃棄物としてそのまま管理型最終処分場へ埋立て処分されるのが主流であるが、溶融してアスベストを無害化処理する方法もある。ただし、アスベストの溶融処理施設の数は未だ少ない。

 

●非飛散性アスベスト(産業廃棄物)
アスベストを含んでいるが、破砕や切断をしない限りは空気中に飛散する恐れが少ない。とはいえ、建築物から除去する場合には飛散の恐れがあるため、慎重に作業が行われる。埋め立て処分される場合は必要以上の破砕・切断処理を行わずに安定型最終処分場にて埋め立てられる。

 

 

<主なリサイクル用途・方法>

  • 再生砕石(土木資材、路盤材)
    リサイクル可能な場合、溶融処理後のスラグを再生砕石化するのが主流です。

 

<その他の処理方法>
管理型最終処分場にて埋立処分されます。大半は未だこの処理方法が取られています。

 

<これからの廃石綿等の処理について>

●アスベスト対策薬剤 (週刊循環経済新聞 2015年6月22日付の記事による)
日本最先端技術研究所は、吹き付けるだけでアスベストの針状結晶を石英などに変化・無害化させる薬剤を出展した。対象となるアスベストはクリソタイルで、当該薬剤を吹き付けることで除去時の遮蔽などの曝露対策が不要となり、一般的な解体工事と同様の作業で処理できる。
これにより、従来より大幅なコスト・負担の低減が可能となる。