１．廃酸とは？
事業活動に伴って発生した酸性・アルカリ性の廃溶液は、廃棄物処理法で産業廃棄物と分類されます。当項目ではこのうち、酸性の廃溶液について説明します。
※一定の条件（重金属、有機塩素化合物等を一定濃度以上含む等）を満たすものは、特別管理産業廃棄物になる場合もある。基準：http://www.env.go.jp/recycle/waste/sp_contr/01.html （環境省）
２．廃酸の具体例
- 写真定着廃液
- 廃硫酸
- 廃塩酸
- 廃リン酸
- 廃フッ硝酸
- 廃棄飲料 など
３．廃酸の主なリサイクル方法
＜概況＞
発生量2,071万トンのうち、91%が再生利用され、最終処分されたものが8%なので再生利用が進んでいる産業廃棄物といえます。（2007年度 環境省より）
＜主なリサイクル用途・方法＞
- 工業用資材
中和剤や不純物除去用の溶液として使用する。溶液の例として、廃酸を冷却して不純物を結晶化させ、それを取り除いて再度同じ工程に使う - 金属回収
成分が含まれた廃液を中和する際、沈殿物が多くなるように反応条件を調整し、沈殿物から金属を回収する
＜その他の処理方法＞
焼却炉内に噴霧して焼却処理する方法や、中和処理する方法があります。ただし、焼却灰中に有害物質が残存したり、中和の際に有毒ガスが発生するので、慎重な取り扱いが必要となる場合もあります。
