久しぶりのコラム記事となります。日本の廃棄物リサイクル業界を騒がせている中国の「国門利剣(ナショナルソード)」規制。今回はその概要と背景を、そして次回では日本の廃棄物リサイクルへの影響を分析します。
まず、事の発端は、今年の春に大規模かつ徹底的な密輸取り締まりプロジェクト”国門利剣(ナショナルソード)”を中国当局が発令したことに遡ります。密輸というと、日本では銃や麻薬というイメージが強いかと思います。
中国の密輸規制と廃棄物がどう関係するのか。それは、密輸規制の対象が「廃棄物と見なされるもの」も含むからです。乱暴に言えば、「一見してただのゴミにしか見えないものは輸入禁止」ということに今回なったのです。
そして、今年7月にはWTOに対し、廃プラスチックや古紙など24種の廃棄物の輸入を停止すると通告。さらに、8月に入ってE-waste系の電化製品及び金属スクラップも禁輸の見込みになることが分かってきました。

出典 ロイター
HUB’S EYE(リサイクルハブコンサルタントの分析)
なぜ中国はこれほどまでに厳しい規制を実施しようとしているのか-。
これまで中国は経済発展最優先で、海外から廃プラスチックや古紙、廃繊維、E-wasteといった資源ゴミを、ほぼ何の規制もかけないで受け入れてきました。昨年度の実績を見ても、プラスチックだけで世界全体の廃棄物の56%、量にして730万トンを中国が受け入れているのです。一方で、日本は日本で、もう国内では誰も買ってくれないようなゴミを、中国の業者が割と良い値段で買ってくれるとあって、渡りに船とばかりにどんどん中国に輸出してきました。いわば相思相愛の関係だったのです。
しかし、一方で弊害も出てきました。それが、環境問題です。資源ともゴミとも見分けがつかないようなものを大量に受け入れてきたため、再資源化できなかったゴミが中国国内に溢れ、各地で深刻な環境汚染を引き起こしたのです。

動画で見たい方はコチラ→プラスチック・チャイナ
これまで傍観していた中国政府も事態の深刻さを憂慮し、ついに環境問題に本腰を入れて取り組み始めた-それが今回のいきさつです。
そして、次回のコラムでは、それを受けて今日本国内では何が起こっているのか、そして今後廃棄物リサイクルはどうなるのかを考えてみたいと思います。
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